発散と収束。

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映画『ファーザー』を見て

アリスのままで』以来、久々に認知症についての映画を観た気がする。でも現代において特に重要な課題だと思う。映画にするとあまり派手なテーマにはならないかもですが。

最初は辻褄が合わないストーリーや、タイムリープかってくらいマイナーチェンジしながら何度も同じ日を繰り返す展開に「???」となっていたけど…徐々に理解していきました。この映画は、認知症の人の頭の中を描こうとしているのですね。

イメージに過ぎないけど、認知症の人の頭の中はこういう風になってるのかと言うのを初めて追体験するような形で知ることができて興味深かった。過去の記憶と現在起きていることが混ざってしぐちゃぐちゃになってしまっているのがよく分かる。アンソニーホプキンス(役名もアンソニーでしたね)が迫真の演技でした。

一番驚いたのは、面倒を見てくれている娘アンとその夫ポールの顔が突然変わる時があり不思議に思っていたが、最後にはそれはアンソニーが現在お世話になっている施設の介護人たちの顔だというのが分かった時。つまり過去の記憶に現在の人が登場しているという感じ。

よく考えるとそれって、自分の過去の記憶でもよく起こることだなと思う。例えば、Aさんが言ったと思っていたけど実際にはBさんが言ったことだったというような記憶違いは、若い頃にも起こることだけれども、認知症になるとそのようなエラーが短時間で頻発してしまうものなのかなと思った。認知症の種は自分も持っているのかな。

アンソニーは極めて傲慢な態度である点も、周りの優しい人たちを傷つけるし…でも色々と混乱しているアンソニーに、なんて声を掛けてあげるのが良いのだろう。とかごちゃごちゃ考えながら見ていました。

認知症は、未だにこれといった解決策の無い病だなと思う(進行を遅らせることはできるのかもしれないが)。社会がどう対応していくか見守りたい。