発散と収束。

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男女逆転大奥

よしながふみ作の『大奥』を読んでいる。男子だけが罹る疫病によって男性の人口が極端に少なくなり、女将軍が生まれたという設定の江戸の世を描く物語。

なかなか江戸時代を学ぶ良い作品には出会えていなかったけど、面白い。8代の徳川吉宗が良い将軍だったとか、京と江戸の関係性や雰囲気の違いなんかを知れて勉強になる。あとは絵が綺麗で読み進めやすい。ただ登場人物が多いので、書き分けが微妙で、誰が誰だかよくわからない時はあるが。

よしながふみさんについての考察をメモする。『大奥』と『きのうなに食べた?』を描いているのがジャンル違いすぎて意外だなと思っていたけど、両方とも「性的な役割を反転させた」という点が共通しているのではないかと思って。

大奥は、男性の将軍に対して多数の見目麗しい女性が支えるという史実を、女性と男性の立場を置き換えた。それによって、男女反転した時に見えてくる支配層に共通する点(支配者が性行為を強要する力を持っている)や、性に特有の点(結局生むことは女性にしかできないから、子を亡くした苦しみとか、母性に悩まされるのは女性)とか、貧乏人や社会的弱者に共通する点(性を売る)がよく描かれている。

立場を反転させて考えると話がよりよくわかるということがあるが、男女逆転大奥からも見えてくるもの(や新たに生まれる感動)があると思う。

『きのうなに食べた?』は初めの方を試し読みで読んだだけだけど、まずゲイカップルだし、あと男が家で料理するっていうのが、伝統的役割の逆をやっている。

よしながふみさんは、どうして性的役割の逆転(反転)に興味があるんだろう。たまたまかな。

さてここまで書いたので寝ます。面白い作品があると生きる糧になりますね。